平均寿命がのびてきているなか、注目されているのが健康寿命です。健康寿命とは「健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間 」を意味します。この健康寿命をのばすのに、卓球療法では何ができるか、さまざまな試みがなされています。
卓球療法とは
卓球の用具を活用して心身機能を改善しようという取り組みです。皆さんが知っている、いわゆる普通の卓球である必要はなく、例えば、卓球のネットをあげ、ネットの下にボールを転がす卓球バレーや、卓球台の上に箱型のゴールをおいて、ピンポン球をゴールに入れた回数を競う卓球サッカーなど、心身状況にあわせて、卓球の用具をもちいて身体を動かしていきます。
卓球療法は何らかの原因で心身に障害を持つ方が運動機能回復や社会参加を目指して行うものです。予防のために行う健康卓球とは違い、卓球療法は傷病の回復のために行います。
なぜ卓球なのか
他のスポーツと違い、卓球は場所や用具の準備がしやすいというメリットがあります。場所に関しては公民館など、卓球台が既にある場所を借りて行うこともできます。また、卓球台がなくても、ピンポン球とラケットがあれば、ピンポン球を転がして行う卓球バレー、卓球サッカー、卓球ホッケーなどができます。手軽に導入しやすいというのが、最大の特徴です。
卓球療法で効果が出た事例
かつてNHKで特集された「脳梗塞の後遺症でマヒがある方が、卓球療法を通して、通常のリハビリよりも運動機能が回復した」事例があります。
まとめ
卓球療法は、患者の心身状況に応じてやり方を考える必要があります。卓球療法士と患者、双方にとって負担がかかりすぎないように、考えていく必要があります。
現在は高齢者中心に行われている卓球療法ですが、今後は子どもたちに向けても活動していきたいと考えています。